× Start Flowering☆ ×







"今日も来てるんだ…あのコ…"




最近、少し気になるコがいる。
いつも俺たちの練習を見に来ている。
他ギャラリーとは違って、誰の名前を呼ぶでもなく、
ただ冷めた瞳で俺たちのことを見ている。
声をかけようとしたこともあったけど、
そういうときは必ずといっていいほど侑士とのダブルス練習が入っていた。
今日もそうだった。




「なぁ侑士、なんで最近ダブルス練習多いんだ?」
「何ゆーとんねん岳人。試合近いからに決まってるやろ?」
「だからって何でいつもタイミングわりぃかな〜…」
「…タイミング?」
「何でもねぇよ」
「そういや岳人、最近気になるコいるらしいな?」
「な…何言ってんだよ!?」
「俺に隠そうたってムダや。あのコやろ? 今、長太郎と話してる…」




侑士が指さした方を見ると、確かに長太郎とあのコが何か話していた。
くそくそ、長太郎め!




「練習再開までまだ時間あるし、行ってきたらどや?」
「行くってどこにだよ?」
「長太郎のトコに決まってるやないか。
 お前のコトや、まだ名前も知らんとちゃう?」
「うっ…わかったよ!」
「ホンマにあのコのコト気になっとるんやな〜」
「!?…侑士ハメたな!?」
「誰もハメてへんて。ほら、はよしないと練習始まってまうで?」
「ちっ…行ってくる!!」




…ったく、侑士のヤツ〜!…あ〜イライラする!!
それにしても長太郎のヤツどこ行ったんだ?
こういう時は、この広いコートが恨めしいぜ。




「長太郎〜、ドコだ〜?」
「ここにいますよ、向日先輩。俺に何か用ですか?」
「あ〜…こんなところにいたのか。お前がさっき話してたコ誰だ?」
「えっ?…あぁ、のコトですか?」
…?」
「えぇ…彼女、っていって、俺のクラスメイトです」
「ふ〜ん…とはよく話すのか?」
「いえ、普段はあまり話さないんですけど、
 最近よく練習見に来てたから今日は声かけたんです」
「そうか…休憩の邪魔して悪かったな」
「いえ…それじゃ、そろそろ練習に戻りますね?」
「あぁ…」




練習に戻る前に、もう1度彼女…の方を見た。
相変らず冷めた瞳をしてるぜ。
そういえばアイツ…笑ったことあるんだろうか?
少なくとも、俺たちの練習を見ている間はなかったよな?
1度でいいから見てみてぇ〜…
なんでこう思うのかはわかんねーけど、俺なら彼女を笑顔にできる…
そんな気もしてくる。
やっぱ1度は声をかけてみよう。
そうすれば、なんでこう思うのか、わかるような気がする…




部活が終わった後は、特に寄り道するわけでもなく、
どうやってと話したらいいかばかりを考えていた。
あの後、長太郎にもう1回聞きにいったけど、
クラスでもアイツは笑ったことがないらしい…
ますます気になる…
ま、これ以上考えても仕方ねーから、とりあえず寝るカナ?
明日は久しぶりに休みだし、街にでも出掛けるか。






「ちぇっ…あんまイイもんなかったな…」




そろそろ新しいアクセサリーが欲しかったから、
そのへんの店を探してみたが、イイものは一つもなかった。
このまま帰るのも癪だから、近くの公園に行くことにした。
確かテニスコートがあったはずだ。




公園に着いてテニスコートに向かおうとしたとき、
ふと視界に入った何かが気になった。
その何かを確認するため、見えた方を見てみると、そこにはがいた。
彼女は木陰に座っていて、読書の最中だった。
時々射し込む木漏れ日が、彼女をまるで天使のように照らしていた。
それと同時に、胸の鼓動が高まっていくのを感じた。




今、気づいた。
俺は…のことが好きなんだ。
部活のとき、ずっと目で追ってたのも…
街に出たとき、無意識のうちに探していたのも…
笑顔が見てみたいと思ったのも…
みんなのことが好きだからだったんだ。




彼女と話すなら今しかない。
今なら誰にも邪魔されることない。
それに、今を逃したらもう2度と話せないような気がする…
昨日までどうやって話そうか悩んでいたのも忘れて、俺はに話しかけた。




「お前、だよな?」
「?…あなたは、向日先輩じゃないですか!?」
「俺の名前、知ってるのか?」
「はい! 正レギュラーで名前を知らない人なんて誰もいませんよ」
「そうか…」
「ところで先輩…私に何か用ですか?」
「いや…用というほどでもない…カナ?
 ただ前から話してみたいと思ってさ…」
「私とですか?」
「あぁ…初めて話すのにイキナリこんなこと言うのもどうかと思うんだけど、
 俺…のことが好きなんだ…その…良かったら付き合ってくれないか?」
「…先輩…」
「返事は今すぐじゃなくてもいい…でも、考えといてくれないか?」
「…考える必要なんてありませんよ……」
「…?」
「私も先輩のこと好きですから…///」
「ホントか?…それじゃ…」
「はい…私なんかでよければよろしくお願いします///」



"よろしくお願いします"と彼女が言ったとき、
俺は初めて彼女の笑顔を見ることができた。



「結構カワイイじゃん…笑顔も…」
「え?…ありがとうございます///」
「これからはそういう顔しろよ…あんな冷めた表情しないでさ…」
「え?…私そんなに冷めてましたか?」
「あぁ、すっげー冷めた瞳で俺たちのこと見てたぜ?」
「すいません…」
「別に謝ることねーだろ? ほら、そんな顔するなって…また笑顔見せてよ?」
「…はい(^^)」
「やっぱには笑顔が似合うな…///」
「そ、そうですか…?///」
「あぁ…これからは前みたいな冷めた表情したら許さないからな!」
「はい!!」




最後に返事した時の彼女の笑顔は、今日見た中で1番良かった気がする。
何年先までも見ていたいな。の笑顔…





















Start Flowering☆


  まずは、このような駄文を読んでくださった皆様ありがとうございますm(_ _)m

  今回はキスプリに収録されている、岳人の"Start Flowering☆"をドリ化させていただいたんですが、
  自分の傾向上、後半はもう歌関係ないです(--;)
  前半は歌詞に近いと思うんですけどね…?(たぶん…)
  岳人ニセモノだし、忍足の関西弁も適当だし…
  私、北海道人なので関西弁はわかりません!!(関西弁大好きですけどねw)
  関西出身の方すいません…あまり細かいところは気にしないでくださいね?

  それでは最後にもう一度…
  読んでくださった皆様ありがとうございましたm(_ _)m
(by sora4105さん)    


  NO.81 sora4105様
  SORA4105WEB

  モドル



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